こんにちは。アンサンブラウのIです。最近ニュースでもよく耳にするプラスティックの海洋汚染。打ち上げられたクジラの胃の中が、大量のビニール袋やプラスティックの廃棄物で一杯だったという話も聞いたことがある方も多いかと思います。私たちの日常生活は過剰と言っていいほどプラスティック消費社会になっていますが、プラスティックのゴミは、海に流れ出て、自然分解されることなく、小さく砕け、海を漂っています。それを植物プランクトンだと思って食べる魚。プラスティックのゴミが生態系に及ぼす影響は計り知れないものです。
ヨーロッパでは、ビニールのレジ袋の規制は進んでおり、環境先進国として知られるドイツでは、スーパーのレジ袋は完全有料です。そして、その袋は、布製や再生利用できる紙素材等となっています。また小売業大手のスーパーはビニール製のレジ袋自体を完全に廃止するなど、企業の掲げる持続可能戦略に沿った取り組みも進んでいます。もちろん、ドイツでは消費者が持参したいわゆる「エコバック」を利用することも一般的です。
所変わって、イタリアでは、1989年にレジ袋の有料化が始まり、2011年からは、プラスティック製の袋は禁止され、環境に優しい生分解できる(自然分解でき、堆肥化可能な)レジ袋だけ購入可能となりました。
そして、さらに今年2018年1月からは、スーパーの野菜・果物売り場に設置されている量り売り用のビニール袋まで、生分解性の袋が義務付けられ、使用者、つまり買い物客がそのコストを支払うことになりました。(これは、魚や肉といった生鮮食品も含まれます)イタリアのスーパーでは、野菜や果物は量り売りがほとんどで、買い物客は売り場に設置されてある、ビニール袋と薄いビニールの手袋を使い、(衛生上の理由から素手で直接、野菜や果物を触ることはできません)自分の必要な量をビニール袋に入れます。
そして、近くにある量りに載せ、野菜果物の番号を押すと、値段シールが出てきて、それをビニール袋に貼ります。
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そのため、野菜・果物売り場で使うビニール袋はレジを通る上でも必要なもので、それにコストを上乗せされることに対して、当初は消費者の反発もあったようですが、私の周りの人たちの声を聞く限り、この取り組みは環境保護の観点から必要なものであると考える人も多いという印象を受けました。私自身、普段から積極的に環境保護に取り組むような活動は特別にしていませんでしたが、今回のイタリアの一歩進んだ動きに接し、自分の普段の生活を顧みるきっかけを与えてくれたと感じています。
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