共感のマップ作成にも、顧客理解にも便利です
前回、共感マップについて紹介しましたが、今回は、その共感マップを作る時にも、さらに、ターゲットとする顧客のイメージをよりはっきりさせるためにも役に立つ方法を紹介します。
いろいろ試してみましたが、私は、この方法が一番やりやすくて、把握がしやすいと思っています。
この方法、英語をそのまま使うと「アバター」とか「ペルソナ」と呼ばれています。
「アバター」は、少し前の映画にもありましたね、直訳すると「分身」や「化身」という意味です。
「ペルソナ」はラテン語から来ていて、意味は「人格」のこと。
日本語的にはちょっとしっくりこないかもしれませんので、ここではイメージしやすいように「顧客プロフィール」と呼びたいと思います。
・・・簡単にしすぎてしまっているかもしれませんが、言葉は、まずはその言葉に触れた時に無意識のうちにイメージが湧く表現である必要があると思いますので、「アバター」とか「ペルソナ」よりも、使い古された表現かもしれませんが、「顧客プロフィール」とここではさせていただきます。
どのようなものなのか、を一言で説明すると、
ターゲットとする顧客のプロフィール、例えば、その人の性格や価値観、好きな事、嫌いな事、どんな仕事をしているか、週末はどのように過ごすか等、一人の人物を様々な角度から観察してみて、書き出してみることと言えます。
ウィキペディアでの人物の説明を、長い文章にするのではなく、短く箇条書きやキーワードを並べる形でまとめたもの。または、ドラマや漫画の登場人物の紹介を、もう少し詳しくまとめたもの、を思い浮かべていただけると良いのではないかと思います。
この顧客プロフィールと共感マップを一緒に作成すると、よりイメージがはっきりできると思います。
顧客プロフィール作成のすすめ方
では、作り方について具体的に説明しますね。
1.ターゲットイメージを描く
共感マップ作成と同じように、まずはフォーマット作りから始めますが、今回は、先にターゲットイメージを描いてしまう方が進めやすいです。
私達が使っている顧客プロフィールのフォーマットでは、真ん中にイメージを描くようにしていますが、例えば履歴書のイメージで左上に書かれる形がしっくりくる方もいらっしゃるかもしれませんので、お好みにあわせていただければと思います。
イメージが描けたら、共感マップ同様、名前と、その人を表す簡単な説明、例えば「セールス担当」のような説明を入れます。
2.カテゴリー、項目を設定する
イメージと名前、説明が描けたら、次に、性格などのパーソナリティ、職業などのバックグラウンドといった、ターゲットとする顧客を説明するのに適したカテゴリーを作って書き込んでいく欄を作っていきます。
この作業、特に最初に取り組まれる時には戸惑われる方が多いと思います。
ペルソナは米国でよく利用されているので、米国での実用例をいろいろ見てみましたが、この設定は作成者により本当に様々です。
カテゴリーの分け方も、そこで挙げられている項目もルール決めされていなくて、それはそれで、さすが自由を愛するアメリカだなと思うのですが(すみません、ステレオタイプで判断してはいけないですね)、私のように形から入る者としては、この設定をどうしようかと、ここに一番時間がかかりました。
私と同じように、この段階で悩まれる方は、もしよろしければ私達が使っているフォーマットをたたき台にして、そこからご自分専用のフォーマットを作られるのも良いのではないかと思います。
上のフォームは私達が作った「海外マーケティング顧客プロフィール(アバター/ペルソナ)」フォーマットです。
こちらからダウンロードしてお使いいただくと便利です。
*ダウンロード版には真ん中のヘタヘタな絵は入っていませんので、安心してご利用ください。
3.ターゲット人物を思い浮かべて各項目に書き込んでいく
フォーマットが完成したら、各項目に書き込んでいきます。
ターゲットとする方を思い浮かべて、思いつく事をどんどん書いていかれることをお勧めします。
中には、よくわからなくて書けない項目もあると思います。
そういう時は、無理に書き込まなくても大丈夫です、これからその方にお目にかかる時に、少し意識して、その点に観察して(気味悪く思われない程度に、ですね)、それからこちらに書き込むので十分です。
また、ターゲットとする方によっては、私達が使っているフォーマットの想定で外れてきてしまう場合もあると思います。
そのような時は、どんどん書きかえていってください。
私達のフォーマットをたたき台として、ご自分のオリジナルのフォーマットを作成していただきたいと思います。
4.共有して、試して、考え直して、を繰り返す
書き込んだら、内容をプロジェクトチーム内で共有することをおすすめします。
プロジェクトメンバーに見てもらう事で、ご自分がこれまで気づかなかった視点から、同じターゲットの方の意外な面が見えてきたり、無意識に感じていた点がよりはっきりしたり、イメージがぐんと深く明確になってきます。
これで、顧客プロフィールの最初の作業は完了です。おつかれさまでした!
共感マップのところでも書きましたが、この顧客プロフィールを基に、これから、お客様との接し方やアプローチの工夫に活用してみてください。
その上で、実際とは違うな、という点も出てくると思います。
その時には、この顧客プロフィールに修正を加えて、また活用して・・・ということを繰り返していくことが、とても大切になります。
顧客プロフィール(アバター/ペルソナ)が貴方のビジネスのお役に立てると嬉しいです。
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