デジタル見本市参加レポート:DMEXCO②


こんにちは、アンサンブラウの青山です。

前回に続き、デジタル見本市DMEXCO参加レポートです。

今日は、このデジタル見本市の3番目の柱、ライブセミナーについて報告します。

 

*1番目、2番目の柱についての前回レポートはこちら。

 

3.ライブセミナー

© Koelnmesse/Fotograf

様々なテーマでのウェビナーが、同時に最大9件開催されました。スピーカーは出展企業が単独で自社のサービスについてのプレゼンを行うケースと、決められたテーマに関連する企業や団体、政府関係者が複数名でディスカッションを行うケースがありました。今回は@homeという事なので、私が参加したウェビナーのスピーカーはほぼ全員、自宅と思われる背景でプレゼンをしていました。

 

スピーカーの多くはドイツ、UK、アメリカからでしたが、ドイツ以外、特にアメリカからのスピーカーが背景にとても気を遣っていて、例えばさりげなく(高級そうな!)鏡を背後に立てかけ、素敵なインテリアが写り込むようにしていたり、窓から海が見えたり、森が広がっていたり、さすが見せ方が上手だな~と思いました。半面、ドイツのスピーカーは、薄暗い部屋で、画面を上からのぞき込んでいるような姿勢でボソボソ話す人が多かったです。普通の部屋で普通にPCに向かうとこうなるだろうな、という姿勢で、自然体で臨むところがドイツ人らしくてほほえましいなと思いました。プレゼン用スライドも、アメリカのスピーカーのスライドはほとんど文字がなく図表が中心なのに対し、ドイツのスピーカーのスライドは、(ドイツでは見慣れた形です)読めないよ~というサイズの文字で文章が書き連ねられていることが多く、プレゼンの仕方にも文化の違いが表れていました。

ライブプレゼン VS 録画プレゼン

常時9つのライブプレゼンが二日間続いたDMEXCOでは、ライブでのプレゼンテーションをする方と、録画形式のプレゼンテーションを予定された時間に公開する方がいました。

開始前は、ライブセミナーなのだから録画よりもライブでプレゼンをしてほしいと思っていましたが、実際、多くのプレゼンに参加してみて、録画プレゼンのメリットの方が多いように感じたのは新鮮でした。

上のライブセミナーの画像では見えていないのですが、画面の右側はチャット画面表示に変えられます。面白いな、と思ったプレゼンの多くは、このチャット画面を有効に活用していました。

面白い、評判の良かったセミナーの多くでは、開始少し前に、スピーカーまたはスピーカー関係者がチャット画面上で挨拶、「セミナーの間、ご質問にはここで回答します」というメッセージを送ってきます。そして、セミナー動画が映されているのと同時に、チャット画面に入れられた聴講者からの質問ひとつひとつに丁寧に答えてくれるのです。セミナーを見聞きしながら質疑応答をチャットで追っていくのは大変ではありましたが、ふと浮かんだ疑問点がうやむやなまま話を聞くのではなく、その都度クリアになるので理解が高まりますし、何より、スピーカーの存在がより身近に感じられました。録画プレゼン+ライブQ&Aの組合せが活きていました。

逆に、スピーカーが本当にライブで話している場合、せっかくライブで届けてくれているのに、かえって物足りない感じがありました。というのも、録画プレゼンの場合に行われるライブQ&Aがなく、チャット画面には回答をもらえない質問が投げかけられたままという状況が多かったのです。途中で関係者が気づいて慌てて質問に対応しようとしたセッションもありましたが、ほとんどの回答が「スピーカーに確認します」ということになってしまっていて、ライブのプレゼンの良さが活きていないように思えることがありました。

ライブセミナーの良さは、ライブでの一方通行の情報伝達ではなく、ライブでの意見交換ができることだと、あらためて実感できました。

 

今後は日本企業のご担当者も、欧州でのデジタル形式でのプレゼンに参加される機会が増えてくると思います。質問をすることでコミュニケーションを深めていくのが欧州のやり方です。オンラインでのライブセミナー、ライブプレゼンテーションの場合、上記のようにプレゼン自体は先に録画をしておき、プレゼン本番は録画を流してQ&Aにしっかり対応していくことが、プレゼンの効果をより高めてくれるかもしれません。ご参考にしてくださると嬉しいです。

 

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