ドイツの在宅勤務について書いていたら、ピッタリのタイミングで最新情報が届きました。前回、前々回に紹介したifo研究所による最新データです。
前回データは、ifo研究所が外部コンサルティング会社に委託して調査を実施した結果でしたが、今回は、同研究所が定点調査を実施している対象企業7,800社への調査結果です。
*それなら前回も同じ方法で調べてくれれば良かったのにと思ってしまいますが・笑
前回の調査で出てきていたのは、企業の在宅勤務普及率がコロナ前の51%から、コロナ禍の2020年7月の時点で76%へと伸びていた事でした。こちらのグラフです。
今回の調査は2021年2月に実施されています。
実はドイツでは2月3日より3月15日まで、雇用主に対して在宅勤務の義務化が制定されています。
ただこの義務化、従業員自身が在宅勤務を希望しない場合は出勤が認められていて、義務化期間が間もなく終わろうとしている現在、効果の点を疑問視する声が出てきています。
雇用主の在宅勤務義務規制下での在宅勤務普及率を調べた結果がこちら。
在宅勤務を採用している企業は全体の81%となりました。
調査方法は異なるので厳密な比較にはなりませんが、昨年7月時点から5ポイント増えています。
ただ、前回実施の昨年7月は、コロナ禍といっても年間で一番過ごしやすい気候で旅行の許可も出ており、いわば一番緩んでいた時期でした。
その時期と比べて在宅義務化なのに5%のみの伸びというのは、全体の8割ぐらいが在宅勤務普及の限度であるのか、義務化でも出社を希望する従業員が多いのか(実際そういう声もあります)、またはドイツも「自粛疲れ」なのでしょうか。
今回の調査ではもう少し踏み込んで、在宅勤務を採用している企業の中でどれ位の割合の従業員が在宅勤務をしているかについても調べています。
その結果がこちらです。
在宅勤務を採用する企業全体で、平均して従業員の30%が在宅勤務(部分的な在宅を含む)となっています。
業種別では、最も在宅率が高いのはサービス業で、次いで製造業、販売業、建設業が続きます。
販売業については、卸売業と小売業に分けてみると卸売業は製造業の平均を上回る一方で、小売業での在宅率は、想像がつきやすい点ではありますが、大変低くなっています。
また、企業規模で見ると、規模の大きな企業の方が在宅率が高い状況で、サービス業の大企業では、約半数の従業員が在宅となっています。
この調査レポートによると、他の研究ではドイツ企業全体の平均56%までは在宅勤務が可能になると試算しているデータもあります。
今後在宅勤務は更に増えるのか、それともコロナ感染収束と共に出勤する形に戻っていくのか、BtoBのマーケティングを考えていくのに大変重要な点になると思います。
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