青山 香織
アンサンブラウ イベント+マーケティング
オミクロン株の影響で今年のフランクフルトでの消費財見本市の多くが開催中止となりましたが、この中止を取り返すべく、来年2月のフランクフルトに大型消費財見本市が合同開催されることが発表されました。
フランクフルトで毎年1月、2月に開催されていました、
・クリスマスワールド
・クリエイティブワールド
・アンビエンテ
の3つの見本市が来年2023年には、「ホーム・オブ・コンシューマーグッズ フランクフルト」の名前のもと、2月3日(金)から2月7日(火)まで(クリエイティブワールドのみ2月4日開始)、同じフランクフルト見本市会場で開催されます。
*お得な出展料の早割りお申込みは4月8日まで。お急ぎください!
こちらが、「ホーム・オブ・コンシューマーグッズ フランクフルト」のイメージ。
左側の緑色の四角4つの上にひし形でambienteと示されているのが、インテリア、ギフト用品等世界最大の消費財見本市アンビエンテ。
これまでは2月第二金曜日から開催される事が多かったのですが、来年は一週間早まって、2月3日からの開催です。
注目したいのは、従来通りのカテゴリーである「ダイニング(キッチン・食事関連)」、「リビング(生活空間)」、「ギビング(ギフト)」に加えて「ワーキング(仕事空間)」が設けられたことです。
コロナ禍で大掛かりなロックダウンを実施した欧州諸国、在宅勤務が増えホームオフィスの重要性が高まる今、とてもタイムリーなテーマが仲間入りしています。
こちらヨーロッパでは殆どの自宅にArbeitszimmer(アルバイツチマー)と呼ばれる仕事用の個室、仕事部屋があります。
家族との生活を大切にするヨーロッパですが、その一方で、仕事に取り組む時は家族と離れて集中して行える環境を重視しており、コロナ前よりある一定数の在宅勤務が普及していたのもあり、仕事部屋の重要度は以前より高かったといえます。
ただその場合も、夫婦のうちどちらか、在宅での仕事が多い職種の方が仕事部屋をもっており、オフィス勤務が主の場合は自宅に仕事部屋はなく、コロナ禍のロックダウンになって、リビングの一角をオフィス用に家具を並べ替えたり、リノベーションが増えてきています。
コロナ後にも在宅勤務、自宅の仕事部屋の重要性はある程度残ると考えられていて、また今後は、オフィスでの仕事と自宅での仕事がスムーズに流れるような環境作りも重視されてくると思います。
コロナを機に生まれた新しい需要に向けたチャンスを、今度のアンビエンテは提供してくれています。
アンビエンテの上に緑色のローマ字で書かれたHORECA(ホレカ)、ヨーロッパでは随分定着してきた用語です。
HORECAとは、ホテル(Hotel)のHO、レストラン(Restaurant)のRE、カフェ(CAFE)のCAをつなげた造語で、ホテルやレストラン、カフェなどのフードサービス、ホスピタリティ業界を意味します。ホテルなら各客室のリネン類や家具、デスク周りの用品や食器など、レストランやカフェのインテリア全般、食器、デコレーショングッズなど、様々な場面でアンビエンテの出展企業の製品が採用されています。
ホテルやフードサービスの合併が進む中、一社あたりの取扱い見込みも大きくなっており、ヨーロッパで今、大変注目される業界となっています。
HORECAの隣に書かれているのはContract Business(コントラクト事業)、ホレカとも重なる部分がありますが、ホテルやレストランに加え、企業のオフィス向けインテリ
ア等のデザイン構築、コーディネート、必要な商品納入のビジネスです。
その隣の赤色の文字はコンセプトデコレーション。特にコントラクト事業でよく求められる、コンセプトを明確にした上でデコレーションを提案する形です。
その下の、赤色の四角部分がchristmasworld(クリスマスワールド)。
アンビエンテと比べると日本では浸透度が低いかもしれませんが、ヨーロッパでのクリスマス需要は消費財分野の主役級。年間のギフト消費の半分以上がクリスマスに集中しており、消費財分野の景気動向の目安として毎年のクリスマス商戦の結果に注目が集まるのがヨーロッパです。
クリスマスマーケットはクリスマスツリーの装飾やグリーティングカードなどまさにクリスマスに直結する物がこれまでは主流でした。
アンビエンテと一緒に開催される事で、クリスマス商品のバイヤーが一緒に販売できるようなクリスマス用のギフト製品等に新しい活路が生まれる事が期待できます。
右下のオレンジ色の部分がcreativeworld(クリエイティブワールド)。ハンドメイドやDIYなど、クリエイティブな活動に向けた様々な製品が並びます。
元々はペーパーワールドの特別コーナーのような形でスタートしたクリエイティブワールドですが、コロナ禍も追い風となり手作り趣味需要が高まる中、来年からの新しい見本市3本柱の1つを担う位置づけに成長しています。
文具類が中心のペーパーワールドについても、製品によりアンビエンテのギフト分野とこのクリエイティブワールドに分類され、これまでとは異なる切り口での展示エリアに入る事で、新しい魅力が発掘されると思います。
アンビエンテ、クリスマスワールド、クリエイティブワールドといった、元々に一つ一つが大変注目度の高い見本市が同時に開催される事で、これまで以上の相乗効果、新しい販売先との出会い、新しい協力関係の構築が期待できます。
とはいえ、これまでの見本市とは少し姿が変わってきますので、少しご不安を感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
弊社ではそれぞれの見本市のデータや周辺情報、実際に弊社のスタッフが過去の見本市に参加した時の経験の蓄積がありますので、もし少しでもご不安を感じられましたら、どうかお気兼ねなくそれらの情報共有のご要望を戴ければと思います。
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