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コロナによるドイツ企業への影響で最も深刻な点は?

 

青山 香織

アンサンブラウ イベント+マーケティング

 


 

そろそろ、本当に統括の段階に入りたいコロナの話題。

ドイツ商工会議所が、2021年、2022年に実施したコロナによる企業への影響調査の結果を紹介します。

*今後は「コロナの影響・・・」といった調査結果がない時になる事を願っています。

 

ドイツ商工会議所調査によると、2022年コロナによる影響で最も懸念されるのは物流。
ドイツ企業へのコロナの影響

 

ドイツ商工会議所が国際取引のあるドイツ企業2,700社を対象に、2021年、2022年に実施したアンケート結果です。

設問は「コロナ・パンデミックによって、今最も深刻な負担はどれですか?」、回答は複数選択が可能となっています。

 

グラフが見にくいかもしれませんが(ドイツのデータの見せ方は日本や米国とは少し感覚に違いがあるように感じています)、色が濃い方の水色に注目してください。

この濃い水色が今年、2022年にドイツ企業が懸念するポイントを示しています。

 

 

 

2022年にドイツ企業が最も負担に感じているのは、多い順に次の5つがあります。

   1.物流・ロジスティクス(79%)

   2.商品・サービスの欠陥(64%)

   3.出張規制(58%)

   4.見本市の中止(56%)

   5.(感染や隔離による)人材不足(51%)

 

*(感染や隔離による)人材不足については、2022年の調査でのみ設問に加えられました。よって、2021年の回答結果には出てきません。

 

最も多いのは物流・ロジスティクスの問題で、アンケートに回答した企業の8割近く(79%)がこの点を問題点に挙げています。

コロナによる各国や地域の規制により、物流が滞るというニュースが世界的によく聞かれますが、ドイツも状況は同じです。

最近では、ウクライナ侵攻の影響でさらに物流・ロジスティクス面の負担が重くなってきていますが、この調査を実施したのはウクライナ侵攻前なので、現時点ではこれ以上に深刻な問題となっていると考えられます。

コロナもウクライナ侵攻もなかった2017年に同様の調査を実施した時には、物流・ロジスティクスへの懸念を問題点としていた企業は全体の3分の1でした。

如何に最近の出来事の影響が多いかがわかります。

 

次に多いのは、仕入れた商品等が不良品であったりサービスに不具合がある点で、全体の64%。これは物流・ロジスティクスの問題とも関連しており、不良品・欠陥品があった場合の対応が通常よりも煩雑になる点が主な問題と考えられます。

 

その次に出張規制(58%)と見本市の中止(56%)が僅差で続きます。

2022年には3番目、4番目の問題となってますが、昨年の2021年には、この2点がドイツ企業にとっても最も大きな懸念でした。

最初の図の、薄い水色の部分、2021年の回答結果に注目してみると、

 

 

 

2021年にコロナの影響でドイツ企業が抱えた負担として多くの企業が挙げたのは、

   1.出張規制(77%)

   2.見本市の中止(69%)

   3.投資の延期・中止(47%)

   4.需要減(44%)

   5.物流・ロジスティクス(40%)

でした。

 

出張規制と見本市の中止が突出して高い割合で選ばれているのがわかります。

昨年、ドイツ企業の約8割(77%)が出張規制に苦しみ、また同時に約7割(69%)の企業が見本市の中止がビジネスを妨げたと感じていると考えられます。

見本市の中止が、これだけ高い割合でビジネスの負担として挙がってくるところが、いかにドイツ企業が見本市を重視しているか、見本市に頼っているかがわかります。

 

こちらの記事でお伝えしましたように、いよいよドイツの見本市も再始動が見えてきました。ドイツ企業、そして世界中の企業が待ち望んでいた見本市の再開、特に再開直後の開催は注目度も高く大きなチャンスが期待できますね。

ぜひこの機会を上手に活用してください。

 

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