市場調査チーム
アンサンブラウ イベント+マーケティング
ドイツのケルンで開催された世界最大の食品・飲料見本市アヌーガ(ANUGA)が、盛況のうちに幕を閉じました。
主催者による最終レポートを基にご紹介します。
今年のアヌーガ来場者は世界200か国から約140,000人、出展者は118か国7,900社でした。
過去3回の開催データと比較すると、出展社数は、
コロナ禍での縮小開催だった2021年からは2倍以上の増加で、コロナ前の2021年の99%でほぼ同じ、その前の2017年開催の出展社数を上回っています。
出展企業数は、コロナ前の水準にほぼ回復しています。
来場者数も見てみましょう。
来場者数も、コロナ前の水準は下回りましたが、前回の約2倍と大きく回復の方向にあります。
今回のアヌーガで注目されたのは、ドイツ国外からの来場者割合が、これまで以上に高くなったことです。
全来場者の8割がドイツ国外からの来場でした。
アヌーガは以前より国際性豊かな見本市で、出展企業の9割以上が国外企業、今回のアヌーガでは94%がドイツ国外からの出展でこれまで以上に国外からの出展者割合が高まっています。
来場者も以前より約7割が国外からの出展者でしたが、今回は8割台へと、さらに国際性が高まっています。
国別に見て最も多いのは欧州諸国からの来場者で、特に英国、イタリア、オランダ、スペイン、トルコからの来場者の割合が高かったです。これまでの開催でも、国外来場者の半数以上は欧州諸国からの来場者となっており、アヌーガは、ヨーロッパ諸国を中心に国際性豊かなバイヤーが揃う見本市と言えると思います。
欧州以外で多かったのは、ブラジル、中国、日本、韓国、米国からでした。
また、有力なバイヤーが多く集まった点も主催者は強調しています。
Amazon, Aeon Co, Aldi, Auchan, Carrefour, Coop, Cosco Wholesale, Colruyt Group, Lidl & Kaufland, Metro, Mercadona, Migros, Rewe, Spar and Walmartといった、最大手卸売・小売グローパル企業の購買決定者が世界中から来場しており、規模・質ともに世界最大の食品・飲料見本市であることを実証しています。
◆今回のテーマは「持続可能な成長」
メインテーマ「持続可能な成長」を基点に、2023年のアヌーガは持続可能性、そして資源の有効な責任ある利用に最大の焦点をあてていました。
サプライチェーンの最適化からフェアな食品製造まで、世界中のエキスパートが非常に興味深いアプローチを披露しました。
世界規模での食品産業が地球温暖化をはじめとした問題に真剣に向かい合い、持続可能な形での進歩を目指していることを象徴しています。
アヌーガ主催者ケルンメッセ会長兼CEO ゲラルド・ビューゼ氏のコメント:
世界最大の食品・飲料見本市として、2023年のアヌーガは、食品業界の未来にとって非常に重要なサインを発していた。企業・組織そして異業種間での話し合いや協働を生み出し、持続可能で生き生きとした未来を共に形作ろうとしている。
アヌーガ共催者ドイツ食品小売協会(German Association of the Retail Grocery Trade: BVLH)会長ヨルン・フロム氏のコメント:
アヌーガは大きなインパクトを持って復活した。まさに世界の食品業界をリードする見本市であることが実証された。2023年のアヌーガの中心テーマ「持続可能な成長」に実践的に取り組む姿勢が全てのホールで見られた。共催者として、アヌーガをさらに進化させることに貢献できたこと、また、そうすることで世界の食品見本市のリーダーとしての役割を担えたことを大変嬉しく思っている。
今回のアヌーガでとても目立ったのは、これまで以上に食品業界の課題やトレンドについての情報交換、情報提供を行うカンファレンス等の機会が多く提供されていたことです。紛争等による流通の混乱、地球温暖化対策といった現代の課題への関心や、解決策を求める姿勢が、これまで以上に強くなってきているように感じました。
食品・飲料業界の今後のトレンドや動向についての情報は、追ってご紹介したいと思います。
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