4.ドイツ見本市出展計画⑦:ドイツ見本市での模倣品トラブルについて

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ドイツの国際見本市の会場は、対象とする業界の最新動向や競争状況を一堂に見ることができる場です。そのため、出展社が自社製品の模倣品に初めて遭遇する、というケースもあります。

ドイツ見本市産業連盟のガイドラインに基づいて、模倣品に遭遇した場合の対応策を紹介します。

 

ドイツ見本市:模倣品はいつ違法になるのか?


ドイツでは、模倣の自由の原則が適用され、誰でも第三者の製品や製造過程、商標を模倣することができます。

これを防ぐことができるのは、産業財産権を保有する場合に限ります

 

産業財産権の保有者は、模倣品・模倣者に対し次のような対処が可能です。

・ 製造、販売、宣伝の禁止

・ 損害賠償請求

・ 製品出所に関する情報の取得

・ 既存模倣品の廃棄要求 など

 

産業財産権の種類

以下のような産業財産権があります。

 

特許: 新規で商業的に利用可能な発明に対する保護。発明者は、その発明を一定期間、他者が使用、生産、販売、輸入することを阻止する権利を付与されます。同時に発明者は、発明の詳細を特許明細書で開示する義務があります。

 

実用新案: 特許と同様に新規で商業的に応用可能であることが条件ですが、新規性・進歩性有無に関する実質的な審査が必要ないため、特許より早く、費用対効果も高いと考えられています。ただし、架空保護の可能性があり、抵触した場合に強制ができません。

 

商標: 商品またはサービスを他社商品またはサービスと区別することができるあらゆる標識、言葉やイラスト等が含まれます。

 

登録意匠: 工業的または職人による商品の色彩や形状を保護します。

 

 

 

ドイツ見本市での模倣品対策


 

見本市前にできること

自社の模倣品が見本市に出展する可能性がある場合、まずは弁護士に相談し、産業財産権の保護を確立することが重要です。

製品やブランドを模倣品から効果的に保護するには、産業財産権が必要です。

その上で見本市には、、 所有権証明書など自社が産業財産権所有者であることを示すすべての書類を持参しましょう。

 

ドイツ国外の競合他社が自社が財産権を持つ製品の模造品を出展予定であるという具体的な情報があれば、見本市の前に国境差押え手続きを申請することができます。

 

見本市開催中にできること

見本市会場で、保護対象製品の盗作版の展示を発見した場合、まずは弁護士の支援を受けて模倣者に警告を送り、刑事罰の対象となる排除措置宣言書に署名するよう求めることができます。模倣者が応じない場合、裁判所に展示差し止めを求めます。

 

産業財産権がない場合

産業財産権を保有しない場合、例外的に不正競争防止法の規定により、商品の模倣が違法となる場合があります。そのためには、模倣者が製品の競争優位に立てる重要なポイントを模倣しており、それを販売している事実を証明することが必要です。さらに、模倣者の行為が不公正であることを示す特別な事情がなければならりません。このような厳しい条件が満たされた場合にのみ、競争法に基づく履行保護によって模倣の自由の原則は破られることになります。

 

見本市主催者がしてくれること

ドイツの見本市主催者は、出展企業の見本市出展を成功させるために積極的に協力してくれます。見本市会場で法的紛争が発生する場合は、事前に主催者に知らせる必要があります。事前に報告することで、主催者は仲介者として紛争を解決をサポートしてくれます。

ただ、主催者は産業財産権の所有者ではないため、第三者に対してあなたの会社の権利を主張することはできません。産業財産権等の強制力のある権利が主催者に提示されない限りは、主催者は通常、模倣品出展ブースを閉鎖することはできません。

 

参考リンク

ドイツ特許商標庁 (DPMA): dpma.de

工業所有権中央官庁: grenzbeschlagnahme.de

ドイツ弁理士会特許弁理士会: patentanwalt.de

製品・商標特許協会: markenpiraterie-apm.de

 

ドイツの見本市で模倣品に対処するには、事前の準備と迅速な対応が不可欠です。産業財産権の保有と、それを証明する書類を用意し、弁護士の支援を受けることで、模倣品問題に対処することができます。また、見本市主催者との連携も重要です。これらの準備を整えることで、自社製品を効果的に保護し、模倣品による被害を最小限に抑えることができます。 

 


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